ピックアップアーティスト

アーティストバンクに所属する人たちは、みんな類い希なる才能の持ち主ばかりです。
ここでは、毎回一人のアーティストをクローズアップ! 彼らの魅力とその作品を紹介いたします。

第14回
堀としかず、奈良モチーフのイラストを大型壁面に描く!プロジェクションマッピングで彩られる墨絵の世界。

奈良市大宮にこの春オープンした大型商業施設「ミ・ナーラ」の4F金魚ミュージアムで、イラストレーター・堀としかずが大規模な壁画制作を手がけた。
縦2.3m×9.2mの壁画に触れると色がつくプロジェクションマッピングとのコラボレーションで、奈良と金魚をテーマに、大仏、鹿、金魚のモチーフを独自の世界観で表現したという。構想から完成までの期間約5ヶ月。取りかかり始めると10時間近くも集中していたというから、心身共のエネルギーを目一杯注ぎ込んでのハードな作業状況だったことが伺える。また、プロジェクションマッピングで色がつく演出であることから、色の部分はプロジェクターで映した絵をなぞるように制作しなければならなかったため、ダイナミックな作品ながらも繊細かつ緻密な作業を要することとなった。
しかし、そのあたりも苦にならず、普段の制作物とはまったく違う次元の作品制作に楽しむことができたと語る。完成を改めて見てみると、スケール感だけでなく、デジタルな要素がプラスされていることからも、これまで手がけてきた作品とは、見え方も風合いも違うことにひじょうに新鮮な発見があったという。反省点はもちろん、今後の新たな課題はあるものの、今回の作品はひじょうに満足のいくものであったそうだ。
奈良に足を運ぶことがあれば、ぜひ一度このダイナミックな作品をご覧いただきたい。その大きな作品から、若いアーティストが表現する新しい奈良のカルチャーを垣間見ることができるのではないだろうか。


▲右壁面には象徴的に描かれた鹿が。可愛い瞳に惹かれる。



▲微妙な横アングルが美しい大仏。やさしい表情が印象的だ。


*壁画ができるまでのプロセスをムービーでご覧いただけます。