たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.99

ナミビア ウィントフーク編

【浮かぶ三日月!!ウィントフークに帰還!!!!】

ナミビアでの2週間レンタカー旅も最後の目的地である「デッドフレイ」を満喫し、あとは首都のウィントフークに戻るのみ。

振り返れば2週間。
そんなに長くもない期間だが、とても内容の濃い2週間だった。

そもそもしゅんちゃんと出会ってからまだ2週間しか経っていないということには驚きを隠せない。
毎日テントを設営して仲を深め、もはやずっと一緒にいるのかと錯覚していた。

そもそもロスバゲのため荷物が全くない状況で始まった彼だが、なんと途中で荷物が見つかったことが判明!
ウィントフークに戻れば荷物は回収できるようになった。

何の憂いもない中、我々はウィントフークに到着。
予約が入っていたので初日だけ別の場所になったが、ウィントフークでの宿は当然、しゅんちゃん合流前に泊まっていたお気に入りのあのマンションだ。
ここで更に数日過ごし、その後アフリカ大陸最南端の南アフリカへと向かう予定である。

到着した当日はしゅんちゃんの知り合いバックパッカーおすすめのレストランへ向かうことに。
なんとこの店、サバンナにいる動物たちの肉が食べられるのだ!!

たーまん「いや食えないよ!!こないだまでガゼ兄やパラさんを見て喜んでたのに!!」

という想いもかすかに脳裏をよぎったが、しかし弱肉強食である。

しっかりガゼ兄のステーキを頂いたのであった。
味は最高。
しかもなっちゃんが何故かご馳走してくれた。
こういう時に姐御感を出してくれるなっちゃんである。
ごちそうさまでした!!

翌日、起きるとあこちゃんが料理を作ってくれている。

もはや毎日の光景だが、本当にありがたい…
誰も料理ができないので、もしこの旅にあこちゃんがいなければ僕たちは毎日パンをかじっていたことだろう。
なっちゃんとあこちゃんに甘えきった夜と朝である。

お気に入りマンションに移る前に車を走らせ、発見されたしゅんちゃんの荷物を回収。
(謝罪でお金が貰えるという話だったはずだが、そこは貰えなかったらしい)

レンタルしていたキャンプ道具も返却。
もう愛着があり過ぎて購入したいほどの勢いだが、そこは慣れた手つきでキャンプ道具屋さんまで運んだ。

そしてついに…レンタカーを返却する時が来てしまった。
めちゃくちゃ寂しい。

さすがに車は愛着で買えるような金額ではないが、せめて写真くらい撮りたい。

と話していたのだが、僕としゅんちゃんには大量の荷物をマンションの上まで運ぶという重大な使命が課されてしまった。
甘えた代償をここで払うことになる。

しかしこれが本気で大変!

灼熱のアフリカの地で何度も何度もマンションの部屋から道路脇までを往復し、大量の荷物を部屋に運び入れたのであった。
運び入れた後、我々は全く動けず部屋でうなだれることになる。

その間に2人はレンタカーを返しちゃっかり記念撮影。

しかも遅いと思ったらなんとビールまで飲んでタクシーで帰ってきた!

さすがに僕としゅんちゃんは怒って「今日は俺たちの好きなものを買う!」と宣言し、財布を掴んで2人スーパーに出かけた。

スーパーの様子は、やはりめちゃくちゃ発展していた!!
日本ではあり得ないほど巨大なスーパーで沢山の商品が売られている。

形としてはヨーロッパのスーパーというより、アメリカ系のムードが凄い。
アルコールが売られてる冷蔵庫、中に人入れるもん。

勢い勇んでマンションを出たものの「スーパー行くならこれ買ってきて」とリストを渡されたので、結局我々はただ買い出しに出ただけであった。

奴ら一枚上手である。

ウィントフークにいる間は街中もしっかり観光していたのだが、本当に全てが発展している。
ハンバーガーを食べたり、消耗品を買い込んだり、久しぶりの街が楽しい。

しゅんちゃんはとにかく顔がデカいので、アフリカサイズの帽子もサイズが合わない。
そんなしゅんちゃんに似合う帽子を探すのも楽しかった。
結果そんな帽子はなかった。

そんな日々を過ごしつつ迎えたウィントフーク最終日。
つまりナミビアで過ごす最後の日は、昼過ぎから買い出しに向かって宴の準備をし、夕方には既に酔っ払っていた。

そんな時、突然しゅんちゃんが

しゅんちゃん「俺、すごい髪伸びてるんですよ。バリカン戻ってきたから切ろうかなぁ」

と言い出した。

たーまん「確かに余計顔が大きく見えるかも」
しゅんちゃん「いや元の状態知らないでしょ」

そこから会議が開かれた!
しゅんちゃんは我々とのアフリカ旅が終わればアメリカに渡り、またも他の旅人と合流する予定なのだそうな。
すっきり爽やかな見た目で会いたいらしい。

「ツーブロックにして爽やかにしよう!」「いやハサミで全体を短くすべきだ!」「バリカンがあるなら丸刈りにしよう!」などなど様々な意見が飛び出したが、最終的に

「後ろに伸びた毛をバリカンで短くすれば爽やかになる」
というアイデアが採用された。

あこちゃん「私が剃る!」
たーまん「いや俺がやるよ!」

あこちゃん「じゃ交代でする?」
しゅんちゃん「ちょっと待って!!遊びじゃないから!!ここはなつ姐さんお願い!」

なっちゃん「いや私やったことないよ!?」

最も信頼できるという理由で未経験のなっちゃんがバリカンを担当することに。

ウィィィィィィ…

バリカンの音が鳴り響き、しゅんちゃんの髪は刈られていく。
かなり順調に進んでいたのだが…

ウィィィィィィ…ザリッ

なっちゃん「あ」

しゅんちゃん「ちょっと待って!?今毛の束が背中を落ちてったんだけど!?」

ゴリゴリに深く入ってしまった。

たーまん「修正できる!修正できる!」
なっちゃん「え、どうすればいい?」
あこちゃん「これじゃ下弦の月じゃん!三日月にしようよ!」

明らかに変なことを言ってる人が一人いるが、何故か深く剃ってしまった跡を三日月型にする方向に話が進んでいく。

なっちゃん「三日月ってどんな形だっけ?」
あこちゃん「ここをこうだよ、こうすれば良い感じになるよ」

しゅんちゃん「待って、ほんとに良い感じになんの!?」
たーまん「違う違う、月だからここをこう剃らないと」
しゅんちゃん「さっきから月ってなに!?」

なっちゃん「待って、私の技術じゃできない…美術下手だったんだよね」
しゅんちゃん「いやこれ美術じゃないから!!」

しゅんちゃん「俺さ、これからアメリカだから、格好良くしたいから」
あこちゃん「俺頭に三日月持ってんすよって格好良いじゃん」

しゅんちゃん「三日月ってなにってだから!!」

なっちゃん「じゃいくよ!!!」

あこちゃん「ごめんね、素直じゃなくて〜♪」
たーまん・なっちゃん「夢の中なら言える〜♪」

不意に始まったセーラームーンを合唱しながらバリカンは進む。

しゅんちゃん「こうなるから!!待って!?一回見せて!?写真撮って!?」

たーまん・あこちゃん・なっちゃん「な〜ん〜ども〜♪めぐり合う〜!♪」

合唱が終わった後、しゅんちゃんの頭には美しい三日月が浮かび上がっていた。

しゅんちゃん「え、でかっ!!!!
 ちょっと待ってシャレにならないって!!」

こうしてしゅんちゃんはアメリカに「三日月を背負った男」として上陸できることが決まった。
今回の事件から得られた教訓は、酔っ払いに何かを相談してはいけないということと、髪は切ったら後戻りできないということだ。

つづく