たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.95

ナミビア ヒンバ族の集落編

【究極の美!!少数部族、ヒンバ族との出会い!!!!】

あこちゃん、なっちゃん、しゅんちゃんと共にナミビアにてレンタカー旅の真っ最中。
野生動物たちとの遭遇を楽しんだエトーシャ国立公園を出発し、数時間かけてopuwoという街に到着した。

この街に来た理由はヒンバ族に会うためだ。

ナミビア先住民族であるヒンバ族。
ヨシダナギの写真で一躍有名になった彼らの集落がこの街の周辺に点在しているらしい。

が、移動で疲れた今日は先に宿で一泊。
今回の宿はホテルに併設されたキャンプサイト!
宿泊場所はテントだが、併設されているホテルにあるレストランやプールなんかも自由に使って良いらしい。

こんなに綺麗なホテルがまさかアフリカにあるなんて!
バーでは冷たいビールが飲めてプールサイドには天然芝…ディナーも最高に美味しい!
相変わらずのエネルギッシュな夕陽も、プールサイドでビールを飲みながら見る満点の星空も壮大だ!

すっかりバカンス気分を味わった我々だったが、夜も更けるとすごすご外へ出てテントに帰るのであった。

翌朝。 ヒンバ族に会うため我々は早速車で街へ向かった。

街には普通にヒンバ族の女性たちがいる!
彼女たちは上半身裸で髪を赤土で固め、派手めなアクセサリーをつけているのが特徴なのですぐ分かる。

けどそんな人たちが普通に木陰で談笑したりスーパーで買い物しているのは衝撃の光景だった!
中には自分で作ったらしいアクセサリーを売ってる人も。

いきなり会っちゃったじゃんヒンバ族の人たち。

と思うところだが、我々の目的は彼らの「集落」に行くこと。
調べたところによると、opuwoの近くにヒンバ族の他にもデンバ族、へレロ族と呼ばれる少数民族が集まって暮らしている集落があるそうだ。
どんどん侵略してくる近代文化に呑まれないよう、少数部族同士で協力し合っているらしい。

しかし話はそう簡単ではなく、基本的に集落にお邪魔するには街の人たちの紹介が必要だそうだ。
まぁ、勝手に知らない人が家に訪ねてきてもそう簡単に会わんよね。

そんな集落に向かうべく我々が探していたのはエリザベスというおばちゃん。
彼女はそんな集落の場所を知っていて、案内してくれるらしいのだが…
我々が持っている情報は彼女の名前だけ。

一日かけて探すしかないか…?と覚悟しつつ「エリザベスって人知ってる?」と街の人に聞いてみると、簡単にエリザベスがいつも座ってるベンチに案内してくれた。

一番大変だと思ってた部分すごい簡単にクリアできた!

エリザベス曰くまず必要なのは集落へのお土産だそうだ。
そこはネットでも調べていたので準備万端。エリザベスと相談して値段を決め、彼女と共にスーパーでガンガン食料を買っていく。

パンや野菜、砂糖など沢山買い物をして車に積み込む。
こんだけ観光客から貰っていたらしばらく食べ物には困らなそうだ…

我々はこうして、いわゆる“部族の文化を破壊する観光客”の仲間入りをしてしまった訳だが、ヒンバ族のように既に現代社会の一部と化しつつある部族にとって、観光客の存在は欠かせない。 貴重な収入源の1つなのである。

助手席にエリザベスを乗せていざ集落へ!!

道案内をしてくれていたエリザベスだが、途中から居眠りし始めた。
気持ちわかるけど!最後まで連れてってくれよ!

道らしき道は1本しかないので進み続けると、無事集落に到着!!
エリザベスを起こし、お土産と共に集落にお邪魔する。

集落には女性しかいないようだ!
男性はみんな出稼ぎに出ているらしい。そういえば街にも男性のヒンバ族はいなかったな…

第一印象で僕が感じたのは…彼女たちの美意識の高さ!!!

ヒンバ族の女性は前述のような格好の他に、みんな髪を土で固めていることも特徴の1つ。
土が取れる場所は自分で探すか、一家に代々続く秘密の場所があるらしい。
みんな土の色で自分のセンスをアピールする。

その土の配色や自作のアクセサリーがめちゃくちゃ格好良い!!

へレロ族の女性はみんなめちゃくちゃカラフルな民族衣装を着ていて、格好良いというよりオシャレ!

あこちゃんとなっちゃんとは化粧の話で盛り上がったらしく、2人が化粧品を貸してあげると大盛り上がりの様子だった。

その光景を見ていて、なんだか僕は勘違いをしていたことに気付いた…

街で上裸の女性が歩いている姿を見て、僕が猛烈に抱いていた違和感は「いや…こんな街中で一緒に生活できるくらいなら服着れば良くない?」という考えだった。

違った。
彼女たちは自分たちが受け継いできた自分たちのスタイルに誇りを持っているのだ。
「服を着る方が良いし、服を着た方が綺麗、基本みんな服を着たい」という僕の勝手な思い込みはめちゃくちゃナンセンスなものだったのだ。
実際誇りを守り続けている彼女たちはめちゃくちゃ格好良い!!

彼女たちは彼女たちの美を追求している。
その美意識の高さには凄まじいものがある。
後に帰ってきた男性陣はみんな一般的な服を着ていたので、やはりそういうことなのだろう。
ということで、僕も服を脱いで一緒に過ごすことにした。

こういうとき…つまり子供もいるような環境で多少長めに時間を過ごすとき…
何故か僕はいつも最終的に子供達と過ごすことになってしまうのだけれど、今回も3人が大人の部族たちと話す中、僕は少し離れたところで集落のちびっこ達と遊ぶことになった。

何人も身体に登って来てもはや前は見えないし、あれ?さっき誰かがメガネ持ってったけどどこ行った?というような状況だ。
写真も撮りたいけどみんなそもそもスマホに興味津々で全然撮れない。
どんな国に行っても子供は同じらしい。

そんな風に過ごしていると、あこちゃん、なっちゃんがへレロ族の服を着させてもらうとのことで、我々も見にくるように呼ばれた。

2人とも意外に似合う!!
この時のためにしてきたドレッドヘアも良い感じ!!!

僕としゅんちゃんはヒンバ族の男性の腰布をつけさせてもらった。

感想としては…
「これ後ろからも横からも完全に見えてるよね?」

まぁ、正面からさえ見えてなければ写真には映らないから。
ていうか、着せてもらう時にさんざ見られてるからもう良いじゃん。というところだ。

あとはヒンバ族の方々を真似して身体に赤土を塗りたくる。
なんだかアフリカで生きるヒンバ族のエネルギーを貰ったようで嬉しい!

が、それにしても笑ったのはしゅんちゃんだ。
僕も基本的に「民族衣装はなんでも似合う男」を自負してきたけど、しゅんちゃんに関しては

「え、この集落出身ですか?」

という似合いっぷり。
若い子と並んだ写真を見るともはや結婚式の招待状かと思うほどだ。

たーまん「いやしゅんちゃんここ住んだ方がいいよ」
しゅんちゃん「モテますかね?」
たーまん「俺にはもうこの集落の長にしか見えんよ」

僕らはしばらくその格好で過ごさせてもらった。
帰ってから身体中の赤土を落とすのは大変だった。

集落からの帰り際にはこういう場所で恒例のアクセサリー売り時間がしっかり設けられた。
確かにこの集落にとって必須な時間だろう…

普段あまりこういうお土産を買わない僕だが、彼女たちが作って売っているアクセサリーは彼女達の髪を固めているのと同じ赤土が使われていたり、同じビーズが使われていたりする!
興奮して珍しく2本もブレスレットを買わせてもらった。

あの集落は押し寄せる近代化の波の中、なんとか自分たちの文化を、誇りをベースに守っている。
男たちはおそらく近代社会の中で出稼ぎをして、女性たちは自分たちの守る文化を観光資源に変えているのだ。

この状況下でも誇りを絶やさずに生きる彼らの強さが、見た目の美しさ以上に格好良く思えた。

つづく