たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.88

エチオピア ダロール火山編

【危険地帯!!熱帯地で野宿した後死の湖へ!!!!】

ドライバー「今日の宿はここだ」

「人類が居住できる最も熱い場所」であるダナキルのアサレ塩湖に来た我々に、ツアードライバーさんが放ったセリフである。

周りには建物も何もない。
あるのは今彼が運んでいる木と紐で作られたベッドのみだ。

たーまん「え、マジでここ?」
ドライバー「マジでここだ。ベッド運ぶからどいてくれよ」

いやいやこんなの大丈夫なのか!?
ここに放置されて生きていけるのか!?
そもそもアフリカは蚊の心配もある!

たーまん「虫とか、なんか生き物とか大丈夫なの?」
ドライバー「暑すぎてここには虫一匹いねえよ」

確かに市街地ではあんなに沢山見かけたハエもここにはいない。
塩ばかりでエサもなく、サソリもいないそうだ。

なら…安全か……

いやそもそも虫も住まんようなとこで野宿ってどうなのよ!!!

とにかく暑いだけでなく、遮蔽物が何もないので常に強い風が吹いている。
隣にいても声が聞こえないほどで、身体中の水分が熱風と共に持っていかれるのだ。

あこちゃん「私絶対寝られない自信ある。」

そりゃそうだろう…
あこちゃんは快適な宿でも寝られないほど寝付きが悪い。

なっちゃん「ホントに動物来ないか一晩中見張っといてね」

ーー翌朝ーー

あこちゃん「すごい。初めてこんなに熟睡したかもしれない。」

まさかの熟睡である。

心配だった暑さは夜になって思いのほか下がり、なんとか寝られる程の気温だった。
風は強く吹き続けていたものの、虫の心配をせず夜空を見上げて眠れる心地良さに比べれば全く気にならなかった。
もはやすぐに寝てしまったのであまり覚えていない。

しばらくするとドライバーさんが戻ってきた。
僕たちは昨夜の意外な快適さについて彼と語りつつ、次の目的地であるダロール火山へと移動。
例の、靴が溶けるかもしれないという硫黄や塩が吹き出す火口地帯だ。

ダロール火山は我々が昨夜泊まった(というより野宿した)場所からさほど遠くない。
車内でサンダルからスニーカーに履き替えて降り立ったのは茶色い土地。
所々に塩が溜まって結晶化している。

そんな土地をひたすら歩き続けていると…

段々と地面が黄色くなってくる!!
そしてなんか…ネチャネチャしてる!!!

ダロール火山に辿り着いた我々はその景色に驚く他なかった。
硫黄と塩とマグマが結合したのであろう何かしらが、黄色なり緑なりまさか自然のものとは思えない色をして地面から溢れ出しているのだ!

これはスニーカーが溶けるのにも納得…
ドライバーさんからも、近づきすぎると危険だから地面が茶色いところにいるように、と言われた。

「地球上のナメック星」と呼ばれることもあるそうだが、まさにその通り。
まさかここが地球とは思えない、昔のSF映画のような世界が広がっている!!
匂いも凄まじい!!

しかし2人が感動する中、僕は静かだった。

何故ならとてつもない便意と戦っていたからである。

バヌアツの集落以来に感じるこの便意。おそらく毎日のように食べた「インジェラ」の影響に違いない…
エチオピアの主食である発酵食品で“見た目は雑巾、味はゲロ”という「インジェラ」を、僕は毎日のように食べていた。

さすがに身体が「インジェラ」の異常さに気付いてしまったようだ。

2人が写真を撮りまくる中

たーまん「トイレ行ってくる」

あこちゃん「え、トイレ!?ないよこんなとこに!」

僕はこっそり集団を抜け、岩の裏に隠れて便意を解消した。
こっそり行ってこっそり戻ってきたつもりだったが……

茶色い地面に僕の黄色い足跡がくっきり残っていた。
マジで誰もその足跡辿らないで。

ちなみにこの不思議な土地ダロール火山の近くにはエルタ・アレ塩湖という塩湖も存在する。
世界で最も塩分濃度が高い湖で、死海よりも高いらしい。
死海ですら鳥とか虫の死体が大量にあるなんて話も聞くのに…

ドライバーさんはその塩湖に案内してくれたのだが…
あらゆるところから絶えずポコポコと泡が湧いていていかにも危険。
かなりまずい気配を感じる…

ドライバー「触るとぬるぬるしてるんだ。触ってみろよ!」

なっちゃん「これはあんま触らん方が良いと思う」
たーまん「うん、これはやめた方が良い気がする。ぬるぬるって皮膚が溶けてんじゃないか?」

ドライバー「ぬるぬるしてるから俺たちはオイルって呼んでる。」

ドライバーさんはずっとぬるぬるしてる。

ドライバー「しかもここにこの汚れたアクセサリーを入れるだろ?すると…」

ドライバー「なぜか綺麗になるんだよ!!」
なっちゃん「もう絶対やばいじゃん!!」

たーまん「触ってみようかな…」
なっちゃん「なんで!?」

ドライバー「いいか?触るなら絶対指先だけにしろ?足元にも気を付けろ。落ちたら最後だ。

なっちゃん「いやだから絶対やばいじゃんって!!!」

水を触ってみると…
たーまん「確かにぬるぬるしてる!皮膚が溶けたのかもしれんけど」

その時!!

バシャァ!!!

ドライバーさんが湖に落ちたぁぁ!!!!
思いっきり足突っ込んでる!!!

ドライバー「(現地語でめっちゃ仲間呼んでる)!!!!!」

ドライバーさんめちゃくちゃ焦ってる!!
やっぱこの湖超危険じゃねえか!!!

結局ドライバーさんは自力で立ち上がり九死に一生を得た。
この湖のことを後ほど調べてみると、表面からは時に成人を死に至らしめるほどの有毒ガスが絶えず発生しており、「死の湖」と呼ばれているそうだ。
強酸性水なので、知らずに入った者は全身に火傷を負うそうな…

いや…ドライバーさんマジでギリギリじゃねえか!!!!

つづく