ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!
【驚愕!!世界一過酷なトイレ!!!!】
トマティーナで出会ったあこちゃん・なっちゃんと共にアフリカはエチオピアに訪れている。
海外青年協力隊の一員であるダイキさんに案内してもらい、快適な日々を過ごしているところだ。
そんな我々の次なる目的地は…
あこちゃん「世界一過酷な場所って呼ばれてるらしいよ」
なっちゃん「こっちには世界一過酷なツアーって書いてあるわ」
行く前から覚悟が試される地、ダナキル砂漠だ。
ダナキル砂漠は現在も活発なエルタ・アレ火山と、陸地にある火山として世界で最も低い位置に火口があるダロル火山に囲まれた砂漠だ。
あたり一帯を山になるほどの岩塩が覆っており、死海の2倍の塩分濃度を誇るダロル塩湖は世界で最も塩分濃度が高い湖としてギネス認定。
更には日中50度を超えるその環境は「人類が住むことができる最も暑い土地」としてもギネス認定されている。
「人類が住むことができる」とは言っても、そのほとんどは昔から塩の交易を独占して住み着いているアファール族の人たちだけだ。
危険なこととスポットへのアクセスの悪さから、こちらもサハラ砂漠と同様ツアーでの参加が基本らしい…
しかも火山活動が活発なダロル火山なんかは硫黄や酸が噴出しているらしく、履いているスニーカーが溶けたりするとのこと。
それは確かに「世界一過酷なツアー」かもしれない…
僕たちはダイキさんに案内してもらい、溶けても良い安いスニーカーを買いに市場へ。
服屋の前に置いてある訳分からんボディバランスのマネキンなんかを眺めつつ
(こういう国のマネキンって基本ボディバランスがおかしい)
途中突然の豪雨でお店に雨宿りしつつ
(ほんとに街の人も何も頼まずただ席に座って雨宿りしてた。
最終的に停電までしたけど、日常茶飯事らしい。)
無事スニーカーは買えた。僕以外の2人は。
あこちゃん「ホントにスニーカーいらないの?溶けるかもよ?」
たーまん「いやぁなんか、俺は大丈夫な気がする」
いつものやつが出たのだ…
何故か自分だけは大丈夫だと思い込むのは悪いクセなのだが、今回は捨てるかもしれないものを買うのに気乗りしなかったことと、ずっとリュックにぶら下げたままのスニーカーをたまには履いてみたいと思ったことが買わなかった理由である。
2人はボロボロに安いクロックスみたいなものを買っていた。
さて、出発当日だ!!
前日の夜にはダイキさんに「景気付けに!」とちょっと良いレストランに連れて行ってもらい、準備は万端!!
(ただピザとパスタが出る、というだけなのだが我々には天国に近かった。)
サハラ砂漠の時と同じく、観光客が何台かの車に分かれて乗り込み一緒に移動していくスタイル。
僕たち3人は同じ1台の車で移動するので、あまり誰かと共に行動しているような雰囲気は感じない。
(やはり音楽はガンガンにかかってる)
車が出発し、街から抜けると広がるのはやはり乾燥した低木地帯!!
これぞアフリカ!
という感じだが、モロッコの時と比べると多少緑が多いように感じる。
車は休憩を挟みつつエチオピアの田舎道を進む。
休憩の度に近所の子供と遊ぶ僕はもはや鬼ごっこおじさんと化していたが、大人が遊びに混ざってくるのが珍しいのであろう子供たちは鬼ごっこおじさんとよく遊んでくれた。
しかし子供といえど、やはり瞬発力とか身体のバネが我々とDNAレベルで違い過ぎる…鬼ごっこもかなり高度だった…
初めてツアーに参加している全員を見ることができたのは昼休憩の時で、見た感じざっと10人くらいはいそうだ。
ここではのびきったパスタと缶詰ソースが振る舞われ、これは意外と嬉しいお昼ご飯。
モロッコとは違いキリスト教徒が多いエチオピアでは普通にビールが飲めるのも嬉しいポイント!
10人みんながビールを飲んでいた。
しかしもはやこの店のビールの味など覚えていない。
何よりも記憶に鮮明なのはトイレ…
後にも先にも旅中最もトイレが汚かったのはこの店のトイレだ。
あまりトイレのことを詳細に書かれても読みたくないかもしれないが、しかしこれも大切な世界の情報である。
実際に「どの国のトイレが一番イヤだった?」という質問はよくされるので需要があるのだろう。
僕の回答は常に「エチオピアのダナキル砂漠に行く途中の店はヤバかった」である。
まず店内で「トイレどこですか?」と聞いて、指差されたのは細い竹を組んで壁を作った向こう側だ。
実際に行ってみるとそこはもう店の外。
一応背中側に多少背の高い木が植わっているものの外からほぼ丸見え。
丸見えどころか誰がいてもおかしくない。
そして問題は背中側だけではない。前方には先述の竹で組まれた壁があるのだが…
店内丸見え!!
スッケスケのスッカスカ!!
え、これこっち側見えてないの!?
と心配になるが、実際店内からトイレは見えなかったので見えていないのだろう。
申し訳程度に布がかかっているが透けている。布かけるなら竹を拾ってきてくれ。
その壁以外にはドアもなければ壁もほとんどない。
コンビニ横にある駐輪場みたいなスペースである。
10人の観光客以外にも誰がフラっとやって来てもおかしくないし、来たと同時に全てを見られる斬新な構造だ。
そして何より肝心なトイレそのものだが、こちらもなかなかにぶっ飛んでいる。
おそらく最も近いのは和式のぼっとんトイレだろう。
バヌアツの集落はただの穴だったが、それよりはまだトイレとしての最低限の見た目は確保されている。
しかしバヌアツよりも穴は浅いように見える。というか浅いと信じたい。
というのも、内容物が溢れているからだ。
これは僕個人の推察でしかないが、乾燥しきっているこの地域ではそれほどニオイが残り辛かったり、すぐ乾燥したりする為に、衛生管理の意識が低いのではなかろうか?
さもないとこの状態でこれ……放置してられないだろう!
実際壁の内側(もはや外側と表現すべきか?)に来るまでニオイは感じなかった。
虫もいるし、正直ここでズボンを下ろすことそのものがイヤだ。
もはや生理的な恐怖を感じる。
色々な想像をさせてしまい読んでいて不快な方には申し訳ないが、僕はなんとか遠距離から対処することに成功した。
これは男性ならではの方法である。
席に戻るのは心苦しかった…何故なら
あこちゃん「どうだった?紙持って行った方が良いかな?」
女性陣2人もトイレに行きたがっているからだ!
そりゃそうだろう!
何時間も車に乗ってたら行きたくもなるさ!!
たーまん「いや、今回に関してはマジでやめた方がいい。紙がどうとかそういうレベルじゃない」
僕はあらゆる意味で2人の身の危険を感じ、限界が近いらしい彼女たちを軽く説得していたのだが…
とにかくビジュアルを自分の目で見たら諦めるだろうと
たーまん「そしたら行ってきなよ」
と言ってみた。
しかしながら2人とも…
「マジで最悪だった」
と言いながらちゃんと致して帰ってきたのだ!!!
強い!!!
強過ぎる!!!!
僕はもうあのトイレ部分を見ながら肌を出すことにすら最大限の勇気を振り絞ったというのに!!!
身体の構造上、女性の場合どうしてもあの悪夢のトイレ部分を跨がざるを得ないと思うのだが、それは僕には間違いなく不可能な話だ。
危険はそれだけではない、壁はないけど人は結構いるという状況の中で無防備な姿で、後ろから襲われて拉致される可能性だって全然あり得るのだ。
性差で語るのは好きじゃないが、しかしやはり、女性バックパッカーはみんなこういう精神的な強さを持っている。
というか持たざるを得ない。
それでも旅を続ける彼女たちを尊敬…というと堅苦しいけど、純粋に「本気ですごい」と思う。
しかしながら「世界一過酷なダナキルツアー」…
始まってもいないのに名前に負けない過酷さを既に感じさせてきやがるぜ…
つづく