たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.82

モロッコ_サハラ砂漠編③

【置き去り!!ツアー中にまさかの事態!!!!】

あこちゃん・なっちゃんと共にツアーに参加し、サハラ砂漠を満喫中。
サハラ砂漠を1日堪能し、朝を迎えた我々はこの地を去ることになった。

というか、こんな場所に何日も滞在はできん!!
1日はしゃぎ倒したので充分堪能したよ!!

しかし…

あこちゃん「あともう1日どうするんだろね?」
なっちゃん「そだね」

ツアーは2泊3日の宿つきなのだ。
ツアーの詳細は教えられてないが(それもどうなのか)サハラ砂漠に泊まるのは1日だけなので、行きは早朝に出発して8時間かけた道を今度は半々に分けて帰るのだろう。

途中で見かけた田舎町のような所にも行ってみたかったので楽しみだ!
これはなかなかに良いプラン内容!

運転手さん「お待たせ!準備できたよ、行こうか!」

観光客の中で最後の最後まで待たされていた我々についにお声がかかった。
待ちくたびれて地面に“サハラの地上絵”を描いて遊んでいたところだ。

荷物を全て車の上に積み込み、我々を乗せた車は出発!
これから4時間くらいかけて次の町に向かう!と思い込んでいたのだが…

ーー10分後ーー

運転手さん「着いたぞ」

嘘でしょ!!!?
到着したのはほんっとーーに何もない場所にポツンと建つ、やけにデカい宿だった。

いやここで1日どうしろと!!!?
周りに何もない!!これマジでツアーの一部!!!?

てことは明日はやっぱり8時間かけて帰るの!?
もうちょい真ん中らへんで宿取ってくれよ!!!

なっちゃん「ホントにここ!?間違ってないのね!?ここ!?」
運転手さん「ここだよ!!」

一同「………」

とりあえずチェックインを済ませて荷物を置く。
宿は外から見るよりも更に広く、中庭にはプールまであった!
えらく豪華な宿だが、モロッコの宿はどこもかなり綺麗なことが特徴だ。
食事も付いているらしい。

しかし車が行ってしまうと、宿は本当に陸の孤島となってしまった。

さて……

たーまん「マジでどうする?今日。」
あこちゃん「どうするホントに。」

なっちゃん「私はこんなもん酒がないとやってられない。」

おっさんかよ!!
酒がないとやってられないって台詞初めてリアルで聞いたわ!!!

とはいえ確かに毎日のようにお酒を飲んでいる僕たちのワインストックは昨夜のサハラ砂漠で切れてしまった。
間違いなく飲み過ぎである。
世界最弱バックパッカーのあこちゃんは異国の地でお酒がないと眠れないらしいので、代表して僕が宿の人にお酒を買えないか頼みに行くことになった。

※ちなみにあこちゃんはアルコールに弱く、日本ではお酒は飲まないらしい。
 世界最弱バックパッカーとしての地位はもはや不動だ。

僕はまずこの宿でお酒が売ってないか聞いてみた。

たーまん「もしかしてですけど、ここでお酒を売ってたりしますか?」
宿の人「ここじゃ売ってないな…市場まで行けば、売ってるところは知ってるけど…」

たーまん「おお!市場ってどこにあります?」
宿の人「遠いから車じゃないと行けないよ」

宿の人「ランチを持ってくる人が今市場にいる。絶対内緒だけど、彼に頼むことはできるよ」
たーまん「ありがとう!ぜひ頼んで!!!チップは払うよ!!!」

というやり取りがあり、ランチと共にこっそりとぐるぐるに紙に包まれたワインが届いた。

いや拳銃でも仕入れたんか我々は…

売ってるんだからそんな厳重に隠さなくても良いような気はするけれど…
買ってきてくれたお兄さんと宿の人に迷惑はかけられないので、僕たちもこっそり部屋に片付けたのだった…

ちなみに…
ここまでのモロッコ旅を通して、僕たち3人の友情は深まりに深まりまくっていた!!!

以前にも書いたことがあるが、旅先で出会った人とはとにかく仲良くなりやすい。

「楽しい思い出を共有しているから」という理由もあるかもしれないが、同じ境遇のバックパッカー同士ではもう一段上の「すぐ家族」みたいな仲の良さになってしまう。

おそらく、ただの旅行ではなく生活活動と行動が密接に関係する旅において、共に行動する人とはプライベートな領域や生活リズムを共有するからだと思う。

しかしそんな旅仲間といえど、生活を共にするからこそ長期間ずっと一緒にいられる相手はとても稀だ。
僕はこの時初めてぴったり合う2人に出会ったと感じていて、その感覚はその後も変わることはなかった。

2人と過ごしていると常に笑いが絶えず、いつも賑やかで楽しい。
しかしそれだけじゃなく、人にあまり話さないようなことまで沢山話した。
コンプレックスや、嫌な思い出とか、プライベートなことを共有して、僕たちは短い期間の内に相手の素のままを理解するようになっていたのだ。

自分の人生における大切な時間、自分のこれまでの価値観が少しずつ塗り変わっていくような期間を共に過ごしたからこそ、深いところで繋がれた気がする。

なっちゃんが

「狭いのに無理して高級な街に住んで、流行りのブランド物を持ってた。
 それって今思うと、全部いらない物だったんだなって思う。」

とつぶやいてた時は、多分本人より僕の方が感動して泣きそうになっていた。

僕たちは良い意味で全く気を遣い合わない間柄になっていたし、絶妙なリズムを掴んでいた。
全く変な意味じゃなく、途中からは1つのベッドに3人で寝るようになっていた。

そんな家族みたいな2人に出会えたことだけでも、旅に出て得られた最高の宝ものだと思う。

つづく