たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.80

モロッコ_サハラ砂漠編

【砂漠!!身体で感じろ地球のデカさ!!!!】

現在あこちゃん・なっちゃんと共にツアーに参加し、滞在していた「フェズ旧市街」から約8時間かけてサハラ砂漠へと移動中!!

ずっと乾燥して硬く砂っぽい地面が続いていたのだが…
しばらく進むと遠くに赤茶色の砂の山が見えてきた!!!
どこからどう見ても分かる砂漠だ!!!

こんなに明確に違うものなのか!!

サハラ砂漠はアラビア語圏で「最大なる砂漠」英語圏では「Great Sand Sea(砂の大海原)」と呼ばれており、その広大さはアメリカ合衆国とほぼ同じサイズというのだから驚きだ。
しかもこの砂漠は現在も成長を続けており、この100年ほどで10%以上拡大しているそうな。

ちなみに「サハラ」という名前はアラビア語の「何もない」「砂漠」を意味する言葉である「サハラウ」が起源となっており、言葉からしても地球における「砂漠」の代表と言えるだろう。

「何もない」と言われるサハラ砂漠だけれど、最新の研究によって5000年前までは緑豊かで湖や川のある大地であったことが判明している。
初期の人類もこの土地に住んでいて、当時の壁画にはキリンの姿や湖を泳ぐ人の絵が描かれているらしい。

地球の自転に変化が生じた影響で一帯に雨が降らなくなり、現在のような乾燥した大地に。
北アフリカと南アフリカを分断する巨大な壁となってしまった。

南アフリカの人たちが独特の文化を形成し、歴史的にもヨーロッパの影響をあまり受けていないのは間違いなくこの砂漠があったからだろう。
この砂の山をあてもなく越えようと思える奴って勇者過ぎる。

そんなサハラ砂漠の北の端っこに着いた我々は……

「「「うおおおおおおおおお!!!!!!」」」

はちゃめちゃにテンションが上がっていた!!!

たーまん「でけえ!!!」

僕はさっさとサハラ砂漠に駆け出したかったのだが、車の中で民族衣装に着替える2人の為に見張り役をやることに。
だから着替えてから乗った方が良いって言ったのに!!

のそのそ2人が出てきてからしばらく砂で遊んでいると、運転手さんが近づいてきた。

運転手さん「ラクダが向こうで待ってるよ」

このツアーには乗馬体験ならぬ乗ラクダ体験というアクティビティがセットになっているのだ!
うーん、本当にお得すぎる。

なんというか、旅を始めてからこういう「ザ・観光」を少し毛嫌いしていたところがあったのだけれど、参加してみると色々がセットになっていて本当にありがたい。
そもそもこういう交通が不便すぎるところではツアーに参加するしかないのだけど…

……しかしラクダかぁ…
僕は過去本物を見たことがあっただろうか?
もしかすると動物園で遭遇したことがあるかもしれないが、僕は“ラクダは怒ると臭いツバを吐きつける”という謎の知識だけを持っており、ちょっと近づくのが怖い印象だった。

それにこの暑い中、意味もなく上に乗って砂漠を歩かせるなんて可哀想に思えてしまい、僕はあまり気乗りがしなかった。

…のだが、その考えは実際にラクダに会って変わることになる。

案内された場所では確かに大きなラクダが5頭座っていた。

見てすぐ分かるのが…短い毛並みがとても綺麗!!
ちょっと汚いイメージを勝手に持っていたのが申し訳ないほどツヤのある綺麗な毛並みで、ヨダレもくさい匂いも全くなく顔はとてもスッキリしている。
まつ毛が長くてなんだか美人なお顔立ちで、表情すら柔らかく見える!

オスなのかメスなのか分からないが美しい女性のようなオーラを放っているのだ!!
しかも顔をこっちに向けてくれたり近づいて来てくれたり、すごく人懐っこい!!
(まさかあのラクダが人懐っこいなんて思いもしなかった!)

彼女たち(勝手に女性認定してしまった)がしっかり愛されて育てられていて、人と触れ合うことを楽しんでいることが分かり、僕は一緒に砂漠を進むことがとても楽しみになった!

僕らの他にスペインから来たという2人の女性が加わり、ついに出発の準備は万端だ!

当時の商人と同じ民族衣装を着て、同じくラクダに乗ってサハラ砂漠を進む…
最高じゃないか!
彼らと同じような気分を味わえるに違いない!!

乗馬とかだと立ってる状態の馬に乗るようなイメージだが、乗ラクダの場合はラクダが座った状態で上に乗り、立ち上がってから進むらしい。
(乗ラクダってなんだ)

先頭にあこちゃん、続いてなっちゃんがラクダにまたがった。

ガイドさん「次は赤い君の番だぜ」
たーまん「あ、はい」

乗ろうとすると、結構ラクダって横幅が太い!!

たーまん(え、これ民族衣装のスカート部分どうすれば良いの!?)

結局スカートをたくし上げてラクダに乗ることに!
またがってしまえばもう足は丸出しだ!!

…これは正解なのか!?
足がもう丸ごと紫外線にさらされてますけど!?
当時の商人これ足どうしてたの!?
防御が薄すぎんか!?

僕の心配をよそに、先頭から順にラクダが立ち上がり始める!

ガクンッ!!

ラクダは後ろ足から先に立ち上がるので、身体がめちゃくちゃ前屈みになる!!
前から転げ落ちそうなくらいだ!
しっかり捕まらねばと足に力を入れたその時!!

ビリィッッ!!

民族衣装が破れたぁ!!!!
ええええええええええええ!!!!?

当時の商人の皆さんさぁ!!
待ってみんなマジでどうやってこれで旅してたの!?
何枚予備の服持ってた!?
この移動手段採用するなら絶対もっと服の進化させられたでしょうよ!!

そう心で叫びつつ、同じように一枚の布を羽織る日本の着物は馬にも乗れるし上手いことできてるなぁ…とちょっと感心。

スタートから波乱が巻き起こった乗ラクダだったが、さすが砂漠を歩き慣れたラクダさん。
我々人間じゃ歩くのも一苦労な砂漠の道をスイスイと歩いて行き、しかも立ち上がってしまえば驚くほどの安定性だ!
カッポカッポと揺れつつ歩く乗馬とは安定度が違う!

そして何よりラクダに乗りながら見るサハラ砂漠の景色は……

最高だった!!!

これまでもモロッコの広大すぎる大地には驚かされてきたが、それにしてもこのサハラ砂漠は広すぎる!!
赤茶色の砂はとても格好良くて、降り注ぐ太陽の光を反射するのではなく、吸収して更に色の深みを増しているように見える。

この景色全てが本当に砂のみでできているのかと思うと、とてつもない量で「そもそも砂ってなんだっけ?」という気分になってくる。

「サハラウ」の意味の通り確かにここには何もない。
ただただ広がる砂の大地は時折山を形成して、どこまでもどこまでも続いてる!
きっと今見えている地平線に辿り着いても、まだまだこの景色が続いているのだろう。
これまでの旅で最も“別世界”を感じる光景だ。

僕らは気付いた時から世界地図を知っていて、世界の形が分かった気になっている。
サハラ砂漠の広さも、大陸の果ても、地球の大きさも。
でもこの場所に来て、ちゃんと自分の目で眼前に広がる世界を感じればきっと思うはず。

世界にはまだまだ果てがない。

つづく