ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!
【混沌!!1000年迷宮に突撃!!!!】
ぶしゃあああああああああ!!!!!
車の運転席から煙が出て頭を抱える若者、ネックレスを飾る為下半身をもぎ取られたマネキン、雑多に広がる出店、両手に生きた鶏を3羽ずつ持ってる男性…
想像以上にクレイジー。 僕らは今、モロッコが誇る世界遺産「フェズ旧市街」に降り立った!!
世界遺産というと日本なら屋久島とか、厳島神社とかが思い浮かぶ。
海外ならフランスのモン・サン・ミシェルとかも世界遺産だったはずだ。
世界遺産というとユネスコが認定するだけあって格式高いというか…綺麗で静かなイメージを僕は持っている。
でもここはそんなイメージとは真逆!!
ここまで雑多を極めた街では何が起きても不思議じゃない!!
「フェズ旧市街」とは城壁に囲まれた市街地であり、複雑なその街並みから“世界最大級の迷宮都市”と呼ばれている。
複雑すぎる街には車が入れない場所の方が多く、現代になってもロバやラバで物流を回しているそうだ。
歴史的には王都とされてきた時期が長く、そのため王宮や豪華なモスク、大学などが作られ、芸術・学問の中心地として栄えてきた街らしい。
この街に降り立った今、これまで見てきたどの国よりも“異国情緒”ってやつを感じてる!!!
慣れ親しんだアジア文化、なんとなく知ってる欧米文化、しかしこのアラブ系?文化は初体験すぎる!!
感覚としてはディズニー映画のアラジンに出てくる世界!!
城壁に囲まれた街に戸惑いつつ、まず宿へ向かうことに!
宿の中…広い!!デカい!!!装飾が綺麗!!! 僕らが泊まる宿なのでそんな高級な訳じゃないはずだが、装飾がめちゃくちゃ細かいことと、広い中庭を中心に建物が広がっているので、実際よりもかなり広く感じる!
部屋にはよく分からない葉っぱを漬けたお茶のようなものを出してくれていて、漢方っぽい見た目とは違う不思議な味がした。砂糖を入れて飲むらしい。
細かくて美しい装飾のソファに座っていると、不意に写真を撮っただけで「セレブの秘密旅…」とか「ギャングのバカンス…」みたいな写真が撮れてしまう。
テンションの上がりきった我々はひとしきり宿で騒ぎ倒していたのだが、ここまでテンションが高いのには理由がある。
実はフェズ旧市街ではお楽しみが待っているのである。
フェズ旧市街に行くにあたり、今回もご飯調査人ことあこちゃんに美味しいご飯屋さんをピックアップしてもらっていた。
その結果出たのが
あこちゃん「なんかここの中華がめっちゃ美味いらしいよ?」
たーまん「え、中華!?」
モロッコでわざわざ世界遺産の街に来て中華はないでしょ!!
と普通ツッコむような場面だが
たーまん「中華!!!めっちゃ食べたい!!!」
なっちゃん「あーーもう餃子のことしか考えられんようなったーーーー」
我々はそういう食事を喉から手が出るほど欲していた!!
あこちゃん「なんかしかも、ここビール飲めるみたい」
なんだか最近お酒のことばっかり書いていてイヤなのだが、お酒のないモロッコでは考えられないこの情報に、僕たちのテンションは頂点に達した。
フェズ旧市街では余裕で誘拐やスリ、強盗などの犯罪が横行しまくってるそうなので(アラジンも盗人だもんね)僕たちはきっちりフォーメーションを組んで歩くことにした。
地図が読めてずんずん進めるなっちゃん先頭、僕は何が起きてもカバーできるように2人を常に見れる後方、一番身長が低くてはぐれそうなあこちゃんは真ん中だ。
混雑しててはぐれそうな場所では全員で手を繋ごう、ということも大の大人が真面目に相談した。
治安が悪そうなこの場所で男性1人女性2人というこの状況。
何かあれば僕がなんとしてでも2人を守らねば…!
と、アフリカの治安の悪さを図れていないこともあり、僕は気を張りまくって歩くことになる。
実際別に危ないことは特になかったけど、おかげでめちゃくちゃ疲れた。
ていうかそんなに治安も悪くなかった気がする…
歩くのに慣れてきたら2人ともフラフラ店に入ったりするし。
いや気をつけてよマジで。
獣のような目で辺りをキョロキョロしてる僕を後ろに連れて、我々は中華屋さんに入った。
すぐにビールを3本注文。
多分こんなにビールが飲みたいのは、この暑さから逃れられるようなものがこの国にないからだとも思う。
酢の物とか素麺でもいい。なんかサッパリさせてくれるものを摂取したいのだ。
「「「乾杯!!!」」」
グラスを用意してもらったのに思わずそのまま瓶で飲む我々。
どんだけ飲みてえんだ。
店員さん「ええと…カップいらない?」
なっちゃん「いらん!!(日本語)」
あこちゃん「いらない!!(日本語)」
たーまん「えぇ…」
僕はお上品にグラスに入れて飲んだ。
そしてこの中華屋さん、名前は知らないがとにかくめっちゃくちゃ美味かった!!
食事レベルの超高い日本でも普通に流行るレベルのクオリティ!!
こんな中国から離れたところでなんで!?
僕たちは久しぶりの中華料理と炊いた米を味わい、至福の時間を過ごした。
ただ調子に乗って頼み過ぎた上にどれも想像の倍くらいの量で運ばれてきたので、最後らへんは胃の許容量との戦いとなった。
帰り道では暴漢に襲われても何もできなかっただろう。
つづく