たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.42

日本②

【母ちゃん、おいら、成田空港に住む!!!!】

タイでの入院生活の末に日本へ帰国したものの、療養などせず日本を満喫した結果、次の目的地は“トマト祭り”のスペインと決まった!

日本からスペインへ行くのはなかなかの長旅だ!
当時関東にいた僕が選んだ便(つまりはその時期最も安い便)では、成田空港→シェレメーチエヴォ空港→バルセロナ空港という道のり。
成田空港を朝10時に出発し、乗り継ぎなど24時間以上かけて早朝2時にバルセロナに到着だ。

ここで「え、間のやつなにそれシェレ…?メチヴォ…?」となった人は僕と全く同じ反応なので是非友だちになりたい。

シェレメーチエヴォ国際空港とは、なんとロシアはモスクワの空港!!
つまりこの旅で初めて寒い国へ行くのだ!
乗り継ぐだけなので空港外へ出ることはないと思うが、ちょっとワクワクである。

さて出発前日。

たーまん(明日の出発は早い…早起きするより前の日から空港で寝てた方が良いよね?)

という考えで、終電で成田空港へと向かう!

いやそもそも空港って寝る場所じゃない。
けれども空港泊の発想が身体にも心にも染み付いている僕は「こうやって計算して動けるようになった俺、すげぇな…」と何故か満足気であった。

22時ごろ成田空港へ到着。
当然まだチェックインもできないので、どこか寝る場所を探すも…

たーまん(いや寝れる場所少ねえ!!)

もはやどこでも寝れる僕にこんなことを言わせるのはなかなか凄い事だ。 さすが日本。

困った僕は空港のWi-Fiで〔成田空港 空港泊〕と検索してみた。
すると……出てきたのは「北ウェイティングエリアがやばい」という記事たち!

早速警備員さんに聞いてみると、ターミナルとターミナルの間に位置しているとのこと…
しばらく外を歩いてみると確かに発見!

待っていたのは自動ドア!
明るすぎない照明と清潔な床!
エアコン設備と充電用のコンセント!!
そして何より大量に並ぶ手すりのないベンチ!!(寝転べる!)

なんなん!?
成田空港ってもはや寝る場所やん!!!!
畳のエリアまで確保されてる!!

寝転べるベンチを見つけてリュックを置く。
すげえよ日本。
寝るための場所すら用意してくれてるよ。

自販機まであるこのスペースの存在も凄いけど、それにしても実感するのは日本の治安の良さだ。
ここはラウンジでもなく誰でも入ってこれるスペースなのに、コンセントに差したスマホが大量に置かれてる!!
丸ごと盗られてもおかしくない!
そして警備員が1人もいない!!

言っちゃえばホームレスの巣窟になりかねないこんな空間を維持できているのは、日本の治安の良さありきだなぁ…と感動しつつ気づいたら寝ていた。

翌朝。
北ウェイティングスペースに名残惜しさを感じつつも、チェックインを済ませ、今度はプライオリティパスを使ってラウンジへ移動する。

ラウンジ…超綺麗。
なところは世界中割とあるけど、やはり凄いのは食べ物の個包装!!
こんなに1つずつキチンと包装されているラウンジなんて世界中どこにもないだろう!

おにぎりを手に取り、食べてゴミを捨てる。
慣れ親しんだ動作である。

…ただ…このやり方だとゴミはめちゃくちゃ出るだろうな。
衛生的には完璧だけど、資源の無駄は多いのかも…なんで日本人はこんなに清潔な文化を育んだんだろう?
「日本は人口密度が高いので、日本人は他人との心理的距離を重視する」と前に何かで読んだけど、そう考えると日本人は食べ物も含めて全て他人と自分を分けていたいのだろうか?

その結果他人の作った汚れなんかにも敏感になったのかも…
日本って清潔すぎる気がするけど、それも日本と日本人が育んだ文化と捉えると面白い個性だ。

そしてそんな面白い個性にも、一度外に出てみないと気付けなかった!

「視野が広がる」とはもしかすると、そういう意味なのかもしれない。

日本語の意味的に「視野が広がる」というと「あらゆる所に目が届く」と捉えがちだけど、真逆に「ある一つのことを詳しく見れる」という捉え方もできるのでは…?

つまり、沢山のことを知り、沢山のものを見て視野が広がると、物事を多角的に見ることができる。
すると結果的に1つの事柄についてより深く理解することができたり、より多くの気づきを得ることができる、という意味だ。

そう考えると勉強して知識を増やすことはとても大切だし、比較できるものを実体験で増やすと、自分の世界の見方が変わってくる。

それってもしかしてめちゃくちゃ楽しいのでは…!?
知れば知るほど、世界に飽きることなんてなくなってくるのでは…!?

僕はよく、誰とも何もしない休日がつまらなくて退屈だと感じていた。
でも自分の世界を塗り替えるのは自分次第なんだから、退屈なのは世界でなく何もしない僕自身だった。

能動的に自分が楽しいと思える方向に踏み出せば、世界に退屈なんてないし、初めての体験はそこら中に転がっている。
するとまた「視野が広がる」のだ。

それこそが学び、成長するってことなのかもしれない!!
そんな自分の中の真実に、今気付けて良かった!!

おにぎりでお腹を満たした僕は搭乗ゲートへ向かう。
これから始まる新たな旅に向けて、日本を再出発だ!

…その後リュックを忘れて取りに戻った。

つづく