たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.25

マレーシア③

【目指せ人類未踏の地!迫り来る野生との戦い!!!!】

グヌン・ムル国立公園とは!!

マレーシアの離島「ボルネオ島」にあるムル山のジャングルのことである。
なんとジャングルの面積の内60%は現在も人類未踏の地!!
更には無数にある巨大な洞窟も、まだその全ては解明されていないらしい…!

なんやその超絶おもしろそうなところは!!!!
60%人類未踏ってそれ半分以上やん!!!
全く知らん場所まで国土ってマレーシアすげぇな!

都会の中心にいるよりも、インディ・ジョーンズ的なムードがプンプンするジャングルに飛び込もう!
ということで、急遽グヌン・ムル国立公園へ向かうことにした!

実は1週間後に小さい頃からお世話になっているコスガさんとタイで会う約束があったので、現地にいれる期間は数日間しかないが、それでもお金をかけて行く価値はあるだろう!

翌日すぐのチケットを取ったので、あまり時間がない。

「現金全く持ってへんけど…現地の空港着いたらATMで下ろすか…!」
プライオリティパスを使って空港のラウンジでご飯を食べれば食費も浮くしお金はかからない!と考え速攻空港へ!

これから飛行機に乗って一旦ミリ空港で乗り換えた後、目的地であるグヌン・ムル空港へ向かう!
ミリ空港ではまた長めの乗り換え待ちがあるが…まぁ、大丈夫だろう。
と、この時は思っていた…

まず、ミリ空港に到着したのは夜中だった。
そして到着とほぼ同時に国内線であるミリ空港の営業時間は終了した。

「また野宿か…仕方ないか…」

そう思いながら適当な場所に荷物をくくり付け、さて寝袋に…

「って入ってられるかクソあちぃ!!」

これまで野宿といえば寒い思いしかしたことがなかったが、ここはとにかく暑い!
ていうか湿度がすごい!!
そりゃ熱帯雨林気候やもんな。暑いし蒸すわそりゃ。

寝袋なしの方が自由に寝れるし、寝袋枕にできるしまぁええか。
と思って眠ろうとすると…

ぷーーーーん…

「蚊か…うるさいな…」

ぷーーーーーーーん…!

「………」

ぷーーーーーーーーーーーん…!!

「いや寝れへんわ!てかなんで顔ばっか狙う!?」

いやもっとあるやろ狙うとこ!!なんで顔の周りばっか飛ぶの!?

殺虫剤…ってワンプッシュで部屋の蚊撃退するやつしか持ってへんやん!!
ここゴリゴリに屋外やん!

とは思いつつ噴射しまくる。
そもそもワンプッシュやけど20プッシュはしたと思う。
それでも蚊はいなくならない。どころか確実に増えてる!!!

「………」
「もういいよ。お前らの熱意には負けたよ。」

命の危険もかえりみず血を吸いにくるってか…その情熱、負けたよ。
もう好きなだけ吸えよ。
ただ寝れんから顔の周りはやめてくれ。そしてマラリアとかはやめてくれ。

僕は寝袋を頭から被って足を丸出しにした。
もう、好きなだけ吸ってくれ。
寝袋の外側にはたっぷり殺虫剤吹きかけたけどな。

とにかくめちゃくちゃ暑いけれどこれで蚊問題は解決。
やっとゆっくり休める…
おやすみなさい…

「「「バウ!!ガウワウ!!!バウ!!!!」」」

「!?」

遂に安眠を手に入れたかに思えた僕が次に目を覚まされたのは蚊の羽音どころじゃなかった。
野犬の群れである。

小さい頃から我が家には犬がいて、犬のことを怖いと思ったことなどこれまでない!
根っからの犬派やけどこれは…!

(真っ暗で何頭いるのか全く分からんけど確実に15頭以上はいる…!!)

見渡す限り真っ暗で誰もいない。つまり助けはこない。
生涯で初めて「喰われるかもしれない」という恐怖を感じた瞬間である。
一匹なら追い払えてもこんだけいたらさすがにキツイやろ…!!

野犬がいる方向を向くのも恐ろしいのでひたすら耳をすませながら、
(私はただの置物です。気にしないでください。)
というオーラを全開にして群れが過ぎ去るのを待った。

やっとスマホの無音カメラアプリでちらっと動画を撮れ
たのは、群れが過ぎ去り最後の一匹になった時だった。

――朝――

壮絶な夜を過ごしながら、それでもちゃんと眠って身体を回復させた自分を褒めたい。
とはいえ飛行機の搭乗口に並ぶ僕の姿は、誰が見ても数日寝てないと思うほどボロボロだっただろう。

その後は順調に数時間のフライトを経て、遂にグヌン・ムル空港に到着!
時間にしてはそんなに長くないが、もう数年かけて辿り着いたほどの感動である。

小さい空港、というよりはほぼ発着場に近いグヌン・ムル空港には、当然のようにATMなどなかった。
現金ないけど、クレジットカードだけでやってけるかな?

事前に調べていた安宿に向かう。
ジャングルと空港を結ぶ一本道以外に道はないようだ。

たーまん「とりあえず3泊泊まりたい。部屋は空いてますか?クレジットで支払います」
宿の主人「クレジットカード?悪いけどこの島ネット通ってないからどの宿もカード使えないよ」
たーまん「えっ…」

待ってクアラルンプールと違い過ぎひん!?
ネット通ってないって……まさか野宿?無理すぎる!今度こそ喰われる!!

たーまん「マジで全く現金持ってないです。働くから泊まれせてくれませんか?」
宿の主人「人手足りてるし客も少ないからなぁ…国立公園の中は唯一ネットがある。高いけど宿もあるぜ。カードも使えるかもよ」
たーまん「マジですか、ありがとうございます!行ってみます!」

道は一本しかないので迷うはずはない。
とにかく歩いてみるか…!!
カード使えてくれ!!!

つづく