ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!
【どんな一瞬も人生だ!!!!】
プロボリンゴ火山からバイクで宿に帰り、久しぶりの個室でふかふかの布団と共に遅めの昼寝を満喫した僕が目を覚ましたのはもう夜中だった。
「しまった……」
ロタと一緒に晩ごはんを食べに行く約束をしていたのだが、どうやら寝過ごしてしまったらしい。
旅が始まってしばらく経つけれど、その間の睡眠というとほとんど寝れない(何かしらの要因で起きる)か、自分の起きた時間が起きる時間なので、“寝過ごす”とか“寝坊する”という感覚が何だか久しぶりだ。
ベッドでつかえてドアは開かないしシャワーは当然水だけれど、やはり個室の部屋というのはよく眠れるのかもしれない…
日本でサラリーマンをしている時はアラームの音で目を覚ますのが普通だった。
平日はもちろん休日も友達との予定の為にアラームをかけていたし、休日を充実したものにしたくて、予定がなくてもアラームをかけて早起きしていた。
それだけお金と時間を使って過ごした時間は楽しかったけれども、どれだけ遊んでも僕が満足することはなかった。
いつも足りなくてもっと遊びたいと思っていたし、もっと刺激が欲しいと思い続けていた。
一体何を求めていたのだろう?
今、毎日が遊びのような日々を過ごしていると、それはそれで全く動かないような時間を求める自分もいる。
おそらく僕はエアコンとwi-fiとスマホがあればそれで快適に過ごせてしまうだろう。
ただ“楽なこと”と“楽しいこと”は同じ漢字だけれど全く違っていて、僕は心のどこかで今この時を無理にでも“楽しむべき”と考えているのかもしれない。
だから身体の疲れに従って無意識に“楽なこと”を探す自分に対して焦りを感じているのだ。
「もっと有意義に時間を使うべきなのに」
自分が“今この時心地良い”と感じることの他に何かやるべきことなどあるのだろうか。
結局今日も日本にいた時と変わらず「僕は何がしたいのだろう?」という疑問に辿り着く夜となってしまった。
全くいつまでも思春期を謳歌しているものである。
読者の皆さまの中にも同じような疑問を日々抱えている人がいれば、是非僕と一緒にこの旅の中でその答えを探してほしい。
~朝~
ロタ「タカ、起きて!もう山登るよ!」
今度は起こしてくれたロタとモニカと共に、日の出前で真っ暗な山道を進む。
昨日登ったプロボリンゴ山と共に朝日を見たいらしいので、今登っているのは近くにある別の山だ。
どれほど歩いただろうか、連日の登山でもう結構しんどいが、日本男児のプライドが弱音をこらえさせる…!
モニカ「ねぇ、これまだ登るの…?」
最初に泣き言を言い出したのは病み上がりのモニカ!
いや、むしろありがとう!!
たーまん「まぁ、ここらへんまで来たら朝日はもう綺麗に見えるかもね!」
モニカ「二人がどうするにしろ、私はもうここで朝日を待つわ」
ロタ「オーケー!そしたら無理せずモニカは休みな!私たちはまだ登れるよね?」
たーまん「え!?いや…うん、まぁ、行けるかな」
いや行けねえよ!!!!!
昨日もガッツリ登山したばっかやのになんでそんな元気やねん!!!
と心の中では弱音を吐きまくっていたが、その後もむしろ先導するくらいの勢いで山を登り、ちぎれそうな太ももを引きずりながらポイントに辿り着いた。
真っ暗な中座ってひたすら朝日を待つ。
標高が高いのでめちゃくちゃ冷えるが、今頃モニカも寒さに耐えているのだろうか。
しばらくそのまま座っていると、真っ暗な山の景色が少しずつ明るくなり、真っ黒だった空が色彩を持ち始めた。
景色が動き、肌が気温の上昇を感じる。
日が昇る。夜明けだ。
自分に縁もゆかりもない土地にいても、太陽を感じると人は安心するものらしい。
でもそれもそのはずで、自分が地球のどこにいようと、見上げている太陽は昔からいつも眺めているそれなのである。
そんな地球の壮大さを思うと、我々はしょせん超絶長い惑星の歴史の中で、ただ地球の表面をウロウロしているだけの小さな存在に思えてくる…
だけど、このデカ過ぎる世界からするとめちゃくちゃ一瞬でチンケでも、自分にとって自分の人生はどんなものより最大じゃないか!
その人生を自分にとって最高のものにしたい!!
そうする為になら、どれだけ試行錯誤しても構わない!!
存分に悩み、存分に気づき、存分に楽しんで自分の人生を謳歌しよう!!!
今、悩みながら旅をする。
その時間すら大切な自分の人生にしようと決めた朝だった。
つづく