たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.120

ガラパゴス諸島 後編

【震撼!!人が圧倒的に弱い世界!!!!】

アイスランドから共に旅をしているあこちゃんと共に、ガラパゴス諸島に滞在中。
最初に訪れたイサベラ島では、人間を恐れない多くの野生動物たちと遭遇し、とても楽しい時間を過ごした。

今回はイサベラ島を後にし、別の島へと向かう!
2番目に訪れたのはガラパゴス諸島の中心地、サンタ・クルス島だ。

サンタ・クルス島

サンタ・クルス島はガラパゴス諸島全体を管理するチャールズ・ダーウィン研究所のある島で、諸島の中では最も人口が多く最も大きな街がある島だ。

島全体が大きな休火山であり、200万年前から150万年前までに起きた火山活動で形成されているため、いたる所に溶岩トンネルが存在する。

そんなサンタ・クルス島に到着した我々を、船着場でさっそく固有種のアオアシカツオドリが迎え入れてくれた。
相変わらずさすがのガラパゴスだ。

この島はどんな野生の姿を見せてくれるのか!
いざサンタ・クルス島を探検!!

と、思いきや…

整備された道に整った建物…
そしてオシャレなレストランやパブ…

探検っていうか完全に観光!!

意外すぎる!これはもう、完全に…

たーまん「完全に、南米のハワイやん」

ハワイ!!!

完全に観光地化された南の島。漂う雰囲気はまさにハワイのそれである!

たーまん・あこちゃん「おおおおおおおお!!!!!」

久しぶりに感じる安心・清潔なムードに心踊る我々!
イサベラ島では動物天国が楽しくてファミリー旅行に最適だと感じていたけれど、こんなに安全そうな場所があるならいよいよ本格的に子どもとの旅行にオススメの観光地だ!!

街を歩き回った我々はついに、

あこちゃん「ねぇ、ここ入っちゃう…?」 たーまん「やっちまうか…?」

おしゃれレストランへの入店を決意!!

たーまん「待って、テラスあるって。おしゃれすぎるって」 あこちゃん「もうワクワクしかない。料理来てないけど絶対美味しいって確信してる」

初めて東京に来た田舎者みたいな会話をしているが、全て本気である。

運ばれてきた久しぶりのビールと魚介系の料理に、我々は舌鼓を打った。 というか舌ドラムを爆音で打ち鳴らしながら速攻平らげた。

とにかく美味しかった!

サンタ・クルス島めちゃくちゃ観光地化してるなぁ。 ここがまさか南米の小さな島だとは思えないぜ。

それにしても、イサベラ島と全然雰囲気が違うなぁ…

そんなことを思いつつ眠り、翌朝は魚を売っている市場にお邪魔してみた。

デカい!! ガラパゴス周辺は強い海流が入り乱れており、身の引き締まった美味しい魚が多いそうだ。

そしてそれを見つめる…

デカい鳥!! しかもとにかく距離が近い!!!

カメラを向けても逃げない。当然だ。
彼らは人間を恐れないガラパゴスの生き物なのである。

市場のお姉さん「もうね、彼らはずっとここにいるの。追っ払っちゃいけないから小さい魚あげるしかないの。」

網にかかってしまい海に捨てられる小さい魚や、買われた魚を捌いた時に出る残り身を彼らは狙っているようだ。

初日、街に来た時には完全に観光地化した土地なのかと思っていたけれど、明るい時間によく見るとそこら中に生き物がいる。

海のそばにあるおしゃれなお店に来ていても…

気づけば壁にイグアナ。

座って海を眺めていても、気づけば隣にイグアナ。

街を離れると緑が広がってるし、この島では上手く人間と生き物が共存している!
(イグアナ好きのあこちゃんはかなりテンションが上がっていた)

まるでハワイのように整備されているけれど、この街には大きなホテルも華やか過ぎる繁華街もない。
ピアス売ってるなーと思って見に行ったらまさかの木製だし。

うん、間違いなくハワイではない。

僕はリゾートももちろん好きなのだけど、夜になると屋台の前にテーブルが出てきて街中の人みんなでご飯を食べたり

そんな屋台で注文してみたらたまにめちゃクオリティの高いご飯が出てきたり

人間も生き物もアットホームな雰囲気に包まれたこの島が肌に合っているし、猛烈に好きだ。

観光地としてローカル具合と観光地具合が上手く融合したこの島は本当に素晴らしい場所だと思う。
日本からだと交通費は高くなるかもしれないけど、着いてしまえば物価は高くないので、ハワイ旅行を検討している日本の方々にはぜひガラパゴス諸島をオススメしたい!!

ちなみに街のオシャレショップで販売されているアパレルがこちら。

やはり猛烈に好きだ。

サン・クリストバル島

島内に大陸とつながる空港があるサン・クリストバル島は諸島の最も東に位置し、地理的な歴史は最も古く、最初に人が住み始めた島とされている。

あのダーウィンが最初に上陸したのもサン・クリストバル島だという話だ。

そんな歴史の古い街なので、最初に訪れたイサベラ島と比べるとこちらの島もかなり街っぽくなっている!
空港があっていろいろなものが入ってくるので、大きな市場ではフルーツも売られているし、島民向けであろうスマートフォンのお店もあった。

そんなサン・クリストバル島でおそらく最も栄えている十字路がこちら!!

安心感がすごい。こうであって欲しかった。

道はある程度遠くまで整備されているけれど民家が多く、観光地というよりは住んでいる島民の方々が多そうな印象だ。

もちろん観光客向けのアクティビティが島の産業のメインなのだけど、感覚としては田舎の方の沖縄に近いかもしれない。
むしろ大好物である。

そんな島の中で、相変わらず我々はゆるゆると過ごしていた!
サン・クリストバルの近辺は波が荒くシュノーケルには向いていないが、相変わらず毎朝海に通っていたし、野生の動物を探して森を散策したりもしていた。

サン・クリストバル島は物資が豊富なので、時には電動のバイクをレンタルして島を探検するなど、これまでの2つの島ではできないアクティビティを楽しむこともできる!

さて、そんな街で我々がやりたかった最大のアクティビティは…

ダイビング!!!

ついにエジプト ダハブで取得したダイバーライセンスを活用する時がきた!

海流が最も激しくぶつかるサン・クリストバル島は様々な生き物が集まる絶好のダイビングスポットとして知られているそうだ。

手続きを済ませ、船に乗っていざダイビングスポットへ!!

船内には人数分のダイビング機材が積まれている。

乗船時には元気だったあこちゃんは…

数分後、めちゃくちゃダサい酔い止めメガネをかけながら案の定ダウン。

あまりの行動力と精神力で忘れかけていたが、全乗り物に弱い世界最弱バックパッカーとしての実力をここでも遺憾無く発揮。

さすがの一言である。 瀕死のあこちゃんを乗せたまま、船はダイビングスポットへ到着!

切り立った2つの巨大な岩が目印のこちらはキッカー・ロックと呼ばれるスポットだ。

ガイドさん「この岩が生む複雑な海流が、色々な生き物を呼び寄せるんだ」
ガイドさん「運が良ければ、ガラパゴスシャークを見ることができるかもしれないぜ!」

ツアー参加者「「Yeah!!!!」」

そう、このキッカー・ロックの周辺にはガラパゴス諸島固有種のサメが現れるのである!
ついにサメまで出してきたか…どんだけ引き出しあるんだガラパゴス諸島。

それでは早速入水!!

かなり深い海である。
僕がライセンスを取ったダハブの紅海は中東随一の透明度とされている名スポットで、あこちゃんがライセンスを取ったのは世界中から観光客が集まるフィジーの珊瑚礁。

そんなクリアで安全な環境とは違い、ここガラパゴスの海はプランクトンが豊富で透明度は低い上、ぶつかり合う海流が激しくて流されそうになる荒いスポットだった!!

ツアー一行は波に流されないよう岩壁に捕まりながら進む!
不思議な感覚だが、海中にとても激しい波が流れているのだ。

少し奥に進むと…

とてつもなく大きな魚群!!
シュノーケルでも魚群に出会って驚いたが、比較にならないほどの魚の数だ。

渦に飲まれながらさらに進むと…

ここにもアシカ!?
君こんな深いところまでご飯食べに来てたの!?

街中で昼寝してたりするのに、こんな激しい海流をものともせず…
正直君たちのことを舐めていたぜ…

海流が穏やかな場所まで移動すると、少し余裕を持って生き物を見ることができる。
周囲には魚はもちろん、

これでもかってほどのカメ!!

カメは岩の凹みに生えた苔を食べに来ていた。
我々が荒い波の中、岩に掴みながら進めているのも、ボコボコ凹んでいるこの岩壁のおかげ。
マグマが冷える時にくぼみができたのだろうけど、小さな魚は身を隠すことができるし、海流の中でも苔が生えることのできる天然のアパートのような場所になっている。

生き物との遭遇を楽しんでいたその時…

ガイドさんが慌ただしく動きだした!!

彼が指さすのは透明度の低い海の、その先。

お分かりだろうか。

今、確実にサメがいた。

他の参加者の中には、気づいていない人もいるほど一瞬だった。
待って、めちゃくちゃ怖い。

身動きもまともに取れず、ボンベから供給される酸素のみが命綱のこの状況でのサメ。
めちゃくちゃ怖い。

参加者全員が緊張しているのが分かる。

ぎゃああああああああああ!!!!!!

叫びたいけど怖くて叫べない!!
剥き出しの生身だもの!!噛まれたらアウトだもの!!

めちゃくちゃ近くない!?
透明度が低くてどこにいるのかも分からないし、現れたと思うと一瞬で過ぎ去っていく!

緊張しながら周囲を見渡す。

すると…

ひいいいいいいいいいいい
思ってたよりいっぱいいるぅぅぅぅ!!!

これ囲まれてるんじゃないの!?
大丈夫なの!?

ガイドはあんたさっきから騒いでるけどそれは何なの!?
嬉しいの!?危険なの!?

お前が落ち着いてくれんとこっちは怖いのよ!!

いやダイバーたちが静かになったからって魚はしゃぐなよ!
視界塞ぐなよ!!お前らこそ危ないよ食われるぞ!!

とか言うてたらうわああああああ!!!!
出たああああ!!!!

破裂するほど心臓はバクバクしていたし、その後も我々はじっとし続けたが、サメが最も接近してきたのはこの時が最後だった。

最初「運が良ければ見れるかもー」「Yeah〜!」とか言ってたけどまさかこんな怖いものとは思わなかった…

海は彼らのテリトリー。
恐怖心を忘れてはいけない。

その後も我々は海流に逆らって進み、ボンベの酸素量が終わると共にツアーは無事に終了した!!

まぁ、途中あこちゃんが岩壁を掴みきれずに海流に流された時はガチで死ぬかと思ったけども。

慌ててあこちゃんを掴んで岩壁まで引っ張ったら目の前に魚群がきて

何も見えないので魚群が去るのを待ったら、完全にツアーから2人ではぐれてた時はもっと死ぬかと思ったけども。

なんならサメ見た時より怖かったけども。
もはやそっちの方が鮮明に記憶に残ってるけども。

我々は楽しくもヘトヘトになりながらダイビングを終え、無事に島に帰ったのだった。

ガラパゴス諸島での旅の最後が恐怖の海中写真と中太りの僕の写真じゃあまりに悲しいので、最後はサン・クリストバル島の街中で出会ったアシカの赤ちゃんの写真で締めくくろう。

可愛い!!!!

この赤ちゃんアシカは奥のビーチにいるお母さんのそばから脱走してきたようで、そのあまりの可愛さで通りかかる観光客全員をメロメロに魅了しつつ、束の間の自由を満喫していた。

最終的にお母さんが近づくと大人しくビーチに帰り、冒険は幕を閉じたようだ。
連れ戻される姿も最高に可愛かった。

前編・後編に分けてお届けしたガラパゴス諸島での旅はこれにて終了。

来る前には「世界の名所の1つだし、秘境体験ってな感じで行ってみるかー」くらいの感覚だったけれど、がっつり楽しむことになってしまった。

小さな島なので治安も良いし、何より島にいる全員が生き物を大切にしているという前提の社会が素敵である。

僕に子どもができた時にはぜひこの島に連れてきて一緒に動物天国を楽しみたい。
毎朝シュノーケルをする体力作りと、万が一海中でサメに襲われた時のイメージトレーニングを欠かさないようにしていよう。

つづく