たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.108

イタリア編

【芸術!!イタリアでの1ヶ月!!!!】

ヴェネツィアから上陸したイタリアには、最終的に1ヶ月程度滞在した。
長距離バスに乗り込み、ミラノからジェノヴァ→ボローニャ→フィレンツェ→ローマ…というように、長靴状の国をつま先に向かって南下していくルートである。

1つの街に3~4日程度滞在して次へ向かっていたので、大体10箇所くらいの街で過ごしていたようだ。

実はこのイタリア旅、僕が世界旅において最も楽しみにしていた旅程と言っても過言ではない!!!

おしゃれなメンズたち、美味しい料理、歴史溢れる街並みや文化、陽気な人々…という先入観の元、憧れが詰まったイタリア旅!
僕はイタリアの全てを吸収し、脳に刻み込むつもりで旅をスタートさせたのであった!!

芸術

イタリアでは本当に様々な教会などの歴史的建造物、美術館、ランドマークに足を運んだ。
(有名なピサの斜塔のことはすっかり忘れていて、街にすら滞在しなかったけれども)

スペインでガウディのサグラダ・ファミリアにも大変感動したし心が動かされまくったけれど、あれは1人の圧倒的な天才が作り上げた世界観。

ルネサンスなど西洋美術史の舞台となり続けたイタリアの芸術は歴史と伝統、いろいろな作者のバックグラウンドが混ざり合っていて、本当に美しくておもしろい!!

教会だけをとっても様々な教会があってどれも素敵。

その中でも僕のお気に入りは「サンティッシマ アヌンツィアータ」だ。

これまで見てきたその他の素晴らしい教会の外観はこんな感じ。

「サンティッシマ アヌンツィアータ」の外観はこんな感じ。

大理石で綺麗は綺麗なのだけれど…
これまで見てきたその他の教会と比べると色使いも少なくて、質素な印象ではある。

街にある小さな教会かな?と思いつつ中に入ると…

めっちゃくちゃ綺麗!!!!!!!!
なにこれ!!!!

外観の質素さからは想像もできないほどのインパクト!!!
しかも柱が赤い教会って割と珍しい気がするぞ!!!

何がすごいって小さい教会だから、足を踏み入れるとすぐこの光景。

ギャップもすごい。 見上げると天井も半端じゃないことになっている。

立体感と奥行きがすご過ぎる!!!
小さくて天井が高くないからこそ、手前に梁を用意してより高く見せようとする工夫を感じる…

ちなみに先ほど外観のサンプルとして2枚目に登場したフィレンツェの大聖堂の天井画がこちら。

読者の皆さまはどちらがお好みだろうか?
こうして並べてみると、もしかすると僕は派手で豪華なものが好きなだけなのかもしれない。

近くにあった昔の王宮も装飾が凄かったので、もしかすると当時の王様の好みなのかも…?

ところで教会でいうと、イタリア滞在中に世界一小さい独立国であり、国全体が世界遺産であるバチカン市国にも行った。
キリスト教の大本山であるバチカンの聖堂の外観・内観・天井はこのような感じ。

荘厳な美しさを感じる、バチカンに相応しい聖堂だ。
同じ教会でも、こうして比べてみると違いが明確に見えてきておもしろい。

イタリア国内では他にもダ・ヴィンチの作品を見たり

たくさんの泉や石像を見たり

とにかく芸術に触れまくる日々であった。

ちなみにイタリア国内に泉や噴水が沢山あるのは、当時貴重な資源であった「水」を潤沢に使えることが富の象徴だったからだそうだ。

そんな噴水や教会などでよく見られる石像で、僕があまりのリアルさと芸術性に衝撃を受けたのはナポリの「サン・セヴェーロ礼拝堂」にある石像群。

フランチェスコ・クイローロという芸術家の作品なのだけど、網やヴェールなどのあまりにリアルな質感から、当時は錬金術によって生み出されたとされ有名にはならなかった。
(現在は科学的な検証から石を掘り出して作られたことが証明されている)

礼拝堂内が撮影禁止だったため画像がないので、是非みなさん検索して欲しい!

料理

「全てを吸収するつもり」という言葉通り、これでもかというほど吸収したのは食事である。

僕はイタリアにいる1ヶ月の間、3食の食事は
パン・ピザ・パスタ・リゾットの4種類しか食べなかった!!!

いや全部炭水化物!!
肉体的にはあんまり吸収したくない!!!

と書きながら1日だけラーメンを食べたことを思い出したけれど、いずれにせよ炭水化物である。

そして誤解しないで欲しい。
もちろんスイーツは3度の食事とは別計算だ。

炭水化物をしっかり摂ってお腹いっぱいのところへ、追い打ちをかけるように糖質を追加。
ストイックに脂肪を蓄える1ヶ月となった。

ちなみに上の画像は「POMPI」というお店のティラミスなのだけど、これがもう、

頭がおかしくなるほど美味しかった。

これまでティラミスを全然好きじゃなかった僕だけど、もう、気が狂うほど食べた。
日本で売られているティラミスよりは、どちらかというとプリンに近かった気がする。

これまで食費を抑えながら過ごしていた反動もあり、お金をかけようと決めていたイタリアでの食生活はまるで暴走機関車の様であった。

マルゲリータやマリナーラ、カルボナーラなどイタリア発祥の美味しい料理は多く、その数だけいわゆる“発祥の店”も多い。

僕にとっての“発祥の店”のイメージは、昔からやってる古びた名店…というなんだか庶民的なものなのだけど…

実際のイタリアの“発祥の店”は今もガッチガチに現役!!
賑わう街中にあることも多く、どこのお店も人で賑わっている!

そんなことを知らない僕が初めて行った“発祥の店”は、ジェノベーゼ発祥の「ZEFFIRINO」というレストランであった。

コロンブスの生家からも歩いて行けるジェノヴァの中心地に位置し、長年ローマ法王にジェノヴェーゼソースを献上してきた由緒正しきお店である。

 ▲コロンブスの生家

 ▲「ZEFFIRINO」外観

 ▲「ZEFFIRINO」内観

が、前述のような庶民的なイメージを持っていた僕はいつも通りの半ズボンとサンダルに、寝癖をおさえる帽子というボロボロの格好で突撃。
入店前からめちゃくちゃ綺麗な外観に焦りまくっていた。

たーまん(これ…店合ってるのか…?)

と思いながらランチにしては早過ぎる時間に入店。

入口の人「いや…サンダルはちょっと…」
たーまん「そうですよねすみません…」

入口でそんな話をしていると、奥からリーダーっぽい人が出てきて席に招き入れてくれた。

リーダー「日本からわざわざ来てくれたんだ。
     今はお客さんもいないし、サンダルでも裸足でも歓迎だよ。」

イタリア男めっちゃ格好良い…惚れる…
と同時にこんな格好でめちゃくちゃ恥ずかしい…

そんな僕にもしっかりとサービスをしてくれて、その心に感動する日となった。
(もちろんこの後から、どんな店にでもある程度まともな格好をして行くようになった)

食事でも教会でも、とあるジャンルについて自分の中の「経験ストック」を増やせば増やすほど、そのジャンルについてあらゆることを感じられるような気がする。

イタリアでは特に、そんな「経験ストック」を沢山増やすことができた。
そうして磨かれるのは、それっぽい言い方をすると“美的センス”だったり“味覚”だったりするのかもしれないけど、個人的には「より自分の好みを深める」ことの方が大切だったりする。

ストックが増えればその中で自分がどんなものが好きで、どんなものに興味があるのかを知ることができる。

興味関心のキッカケを見つけるために“発祥”や“歴史”を学ぶことはとても効果的だし、そうして好きなものが見つかることは心地が良い。

こんな時自分は何を感じて何を想うのか、そんな「経験ストック」が沢山手に入るから、長旅をするのはおもしろい。

MARVIS

最後、突然章の名前がおしゃれになったけれど「MARVIS」とはイタリア生まれの歯磨き粉の商品名である。
まさか最後に歯磨き粉について書くことになるとは思わなかったけれど、僕のイタリア旅の第二の主役は不本意ながらも確実にこの歯磨き粉なのだ。

キッカケは、アフリカを共に旅した旅仲間である「あこちゃん」から

あこちゃん「『MARVIS』って歯磨き粉が全部で5種類あるはずなんだけど、日本で買うと高いから買って欲しい」

と頼まれたこと。

普段は荷物が増えるのがイヤでお土産を買わない僕だけど、繋がりが残るのが嬉しかったのと

たーまん(歯磨き粉くらいならサイドポケットに入るし、まぁ良いか)

と、歯磨き粉を買っておく約束をした。

イタリア南下の出発地であるミラノに着いた時。
バス停の近くにドラッグストアがあったのでさっそく寄ってみると、確かにある。

右下の緑の歯磨き粉が噂の「MARVIS」だ。
調べてみると5種類の色は緑・オレンジ・赤・黒・青の5色。

たーまん(あと4種類、またドラッグストアで探すか…)

この日から、イタリア全土で繰り広げられる僕の「MARVIS」探しの旅が始まった!!!

人気であろう緑と赤はすぐに揃ったものの、各地のドラッグストアを覗いても全然「MARVIS」が見つからない!

もはやドラッグストアを探しながら歩いてる!!!
2種類しか店頭販売してないんじゃ…と思い始めていたので、黒のMARVISを発見した時は驚いたほどだ。

街に到着するとすぐドラッグストアを検索するようになった頃には、4種類の「MARVIS」が手元に揃っていた。

たーまん(残すは青1種類のみ…!!)

コンプリートを寸前に控えた僕は、最後のドラッグストアで謎の「MARVIS」に遭遇する。

たーまん(え、何この黄色いやつ!? 5種類じゃないの!?)

明らかに雰囲気違う!!!
なにこれ!!!

あこちゃんに聞いてみると、3種類あるイタリア限定フレーバーだそうだ。

そこから僕のコンプリート精神に火が付いた!!!!
限定フレーバー3種類も絶対に見つけてやる!!!!!

それからというもの街中全てのドラッグストアを練り歩き、一度も使ったことはないのに熱心な「MARVIS」ファンになっていた。

たーまん(いや最初からここ来てれば5種類揃ったやん…)

たーまん(おいおいマウスウォッシュまで出してるんかよ)

たーまん(歯ブラシ…もそうかここまできたら出してるか)

とにかくあらゆる店を練り歩く。
(さすがに歯磨き粉以外は買ってない)

フィレンツェにある製造工場にまで行ってみたが、工場での直売はしていないらしい。
さらにさらに

たーまん(え、なにこれ!?)

たーまん(え、これ青じゃなくて水色よね!?)

見つかり始める謎のフレーバーたち!!!!

そして最後に立ち寄ったのが…

もう、どこからどう見ても明らかに店主が「MARVIS」ファンの店。

ハリーポッターで魔法使いの杖売ってる店くらいびっしり「MARVIS」が置いてある。
そんなめちゃくちゃマニアックな店で…限定フレーバー「ROYAL」を発見!!

そして「ROYAL」の裏に最後の限定フレーバー「KARAKUM」発見!!!!!

たーまん「うおおおおお!!!!!!」

って普通に叫んだ。店内で。

なんだなんだと奥から出てきた店長にこれまでの道のりを説明すると、やっぱりめちゃくちゃ「MARVIS」ファンだった。

そんな劇的なラストで、僕の「MARVIS」の旅は終わったのだった。

スペインで出会ったあこちゃんに「砂漠で寝転がって、星空見上げながらビール飲もうよ」と声をかけられて始まったアフリカ旅は、なっちゃん、しゅんちゃんという仲間も加わりとても楽しい時間になった。

今回の「MARVIS」もそうで、あこちゃんはいつも僕におもしろい出来事のキッカケをくれる。

僕がイタリアにいる間、彼女はフィジーのホテルでコンシェルジュの仕事をしていて、彼女の出勤までの時間がちょうどイタリアにいる僕の夕食後の時間。
彼女の寝るまでの時間がちょうど僕が起きる時間だった。

我々はこの時間に電話をして軽く話すのが日課になっていた。

その日も、ナポリでピザを食べた後にあこちゃんと電話をして、翌日に乗る長距離バスの予約をしようとした。

でも、すっかりあこちゃんのことを好きになっていた僕は、

たーまん[MARVIS早く使ってみたくない?]
あこちゃん[早く使ってみたい]
たーまん[持ってくわ!]

フィジー行きの飛行機を予約した。

つづく