たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.45

スペイン②

【散歩中に激突!!眼前に現れたサグラダ・ファミリア!!!!】

“トマト祭り”ことラ・トマティーナに参加する為スペインはバルセロナに到着!
宿に荷物を置いてこの街について調べようかと思ったが、調べなくても分かってる!

この街にはサグラダ・ファミリアがある!!

検索してみると、世界的建築家であるアントニ・ガウディはここバルセロナで建築を学んでいて、この街には彼の遺した作品(建物)が今も多数存在しているそうだ。

その中でも彼のライフワークとなったサグラダ・ファミリアはおそらく世界で最も有名な建造物の1つで、今もなお未完成の教会である。
Google マップで位置を検索してみると、多少遠いが歩いて行ける距離。
ていうか自分の現在地と共に画面上に「サグラダ・ファミリア」って表示されてるの凄いな。

散歩がてらサグラダ・ファミリアまで歩いて向かってみることに!

歩いていると、街の風景や並んでいる店舗の種類、建物の構造などが日本と全く違う!
見ていて楽しかったのはやはり建物で、色も違うし一軒一軒すごく個性的なのに、何故か街並みとして調和していることが不思議だった。
昔から発展していて歴史のある街だから、時を経て風化して、全ての建物が街に馴染んでいってるのかもしれない…
そもそもガウディだって100年以上昔の人だ。

Googleマップでなんとなくの方向だけを見てフラフラ歩いていたが、小道からふと大通りに出るとそれは突然目の前に現れた!!

サグラダ・ファミリア!!!!

最初に頭に浮かんだのは”綺麗”や“凄い”という感想ではなくシンプルな“なんやこれは!!!!”という驚きであった!
というのも、その建物は完全に街の景色と同化しながら、つまりはおそらく共に歴史を踏みながら、想像と全然違う構造で、想像より遥かに巨大で、それでいてめちゃくちゃに細かいパーツで構成されていたのだ!!

サグラダ・ファミリアが街の景色と同化しているというよりは、むしろサグラダ・ファミリアに全ての景色が同化している。吸収されている。

日光の影すら計算されているように見えるその建物は、これまで見たどんなものとも違った。
一瞬で心を奪われてしまった。

たーまん「えぇ…これ凄いな…!!」

しかも僕が見ているのは所謂「正面」や「裏門」ですらなく、横から見た姿のようだ。
近づいてみるも、入場には予約が必要らしい。
その場ですぐ明後日のチケットをオンライン予約して、せめて正面から建物を見ようとサグラダ・ファミリアがよく見える公園とやらに移動した。

これはそりゃ完成に300年かかるわ!!!!

アントニ・ガウディえぐいぜ…感動してしまった僕はそのままの流れで彼が設計したグエル公園と、敷地内にあるグエル邸を見に行った。

ちなみにこの「グエル」とは人の名前で、ガウディの才能を見抜き、死ぬまでパトロンだった大富豪だそうだ。

現在「ガウディ博物館」にもなっているグエル邸は、建物の構造や庭の形はもちろん、細かいドアの取手や蝶番なども全て美しい。
めちゃくちゃ奇抜なのに、全てどこかで見たことのある自然の構造体だ。

面白い人を発見してしまった…アントニ・ガウディ…
この地に来るまで全然興味のなかった人だが、この異常すぎるこだわりの作品を見ていると本人の方に関心が向く!

宿に帰ってからもひたすらガウディについて検索していた。
もはや恋する乙女。
いや、恋する相手のことをひたすら検索してたらそれはかなりのストーカーってことになるけど、まぁ、それくらいの気持ちってことで認識しておいて欲しい。 僕の大好きな漫画家、井上雄彦も彼を取材した作品を世に出していることが分かった!
これは帰国したら必ず買おう。

そう心に決めてその晩は眠った。

翌朝。 ドミトリーの共用スペースで朝ごはんを食べていると、女性に声をかけられた!
彼女はスペインの田舎から国内旅行で来ているようで、とにかくジブリが大好きだそうだ。
僕に声をかけたのも、もし日本人ならジブリトークができるのでは?という意図があったらしい。
いやどんだけジブリ好きやねん!

「いつか日本に行って、森の中でトトロを探すわ。絶対にいると思う。」
たーまん「それは見つけたら速攻連絡して欲しい。僕は今のところ見たことない。」

僕は昔ディズニーランドで働いていたこともあるが、そもそもジブリで育ったジブリ派人間だ。
小さい頃ラピュタは全シーンを覚えるほど観たし、大人になってももののけ姫には感動する。
彼女はなかなかのジブリオタクのようで、話はかなり盛り上がった。
でもごめん、名前は覚えてない。

たーまん「スペインでもジブリは有名なの?」
「みんな知ってるよ!Netflixにも入ってるし。」
たーまん「え、Netflixにジブリ入ってんの!?」

確か日本のNetflixには入ってなかったはず!!
国内でこそ入れてくれよ!!

そんなジブリトークをしていると、昨日調べまくったアントニ・ガウディと宮崎駿が被ってきた。

宮崎駿の作品制作ドキュメンタリーを観たことがあるが、彼はひたすら悪態を吐きつつタバコを吸いながら、一切目を逸らさず永遠に鉛筆を走らせていた。
その情熱と緊迫した空気感は画面越しにも伝わってきた。

当時二日酔いで仕事に行っていた自分と比較し、これが仕事の仕方か…
とちょっと落ち込んで反省したのを覚えている。

そうして彼が死にものぐるいで生み出した作品は、日本の森にはトトロがいる!と信じさせるほど世界の人々を感動させている。

ガウディもそうだったのかもしれない。

ガウディは後半生をサグラダ・ファミリアに費やしていて、晩年には相次ぐ親族や友人の死を経てより一層サグラダ・ファミリアに傾倒するようになったそうだ。
写真を撮られることも拒み始め、身なりにも気を使わなくなり、路面電車に轢かれても浮浪者と間違えられた為に手当てが遅れ、死に至ったらしい。

彼はそんな絶望的な状況の中で命がけの情熱を燃やし、究極に美しい建造物を作っていたのだ!
その情熱こそが死後も人を感動させ、今もサグラダ・ファミリアを作っている。
人を感動させるには、そんな命がけの情熱が必要なのだ!!

僕はいつか、そんな風に情熱を燃やして何かに向き合うことができるだろうか?
今後何をするにしても、誰かを感動させられるような人でいたい。

つづく