フィレンツェに住んでいると移動するのに便利なのがバスだ。
バスの路線図を見ると、町中をほぼくまなく網羅しているので、どこに行くにも使う事になる。
郊外の町に住んでいた頃、「イタリアだから」とタカをくくって時刻表より少し遅めに停留所でバスを待っていると、犬の散歩中のおじさんが「ここのバスはその時刻より5分前には来ちゃうから、前のは行ってしまったよ。
乗りたいのなら10分前には来なくちゃ。」とニコニコしながら教えてくれた。
この国は遅れるのばかりが常ではない。
時間どおりでないことがポイントなのだった。
オレンジ色のそのバスに乗り込むとプラスチック製のお尻が痛くなりそうな椅子がチラチラとしつらえてある。
車輪が大きすぎて車内にそのまま突き出ているため、前向きと後ろ向きの椅子がほぼ同じ数である。
日本であれば2つ座席がありそうなスペースにも一個しかなかったりするので座席が少ない。
走り出すとたいていは運転が荒く車体も無駄に大きいから、車体が縦に横に大揺れするのだ。
私の場合、5分以上乗るとたいてい吐き気をもよおす。 |