
有給をうまく利用すれば16連休にもなったという、2009年の超長ゴールデンウィーク。暦通りに休みを取り、とくに何ということもなく過ごした私にとっては、単に気分がダレてしまっただけである。年度始まりなどの緊張感も長い休みですっかり途切れ、ボンヤリしたままのリスタートとなった。
連休明けの7日、このコーナーのイラスト担当・やましたが帰省土産を携えて出社してきた。知る人ぞ知る高知の有名店「浜幸」の聞いたことないお菓子、「ゆずの山里」だ。
「かんざし」というフィナンシェっぽいお土産で有名な浜幸だが、調べてみると生の洋菓子から和菓子、水菓子、ジャムまで、和洋折衷いろいろ揃っている。そんな数ある商品の中からやましたが選んだのは、ホームページの商品一覧の中でも埋もれているような一品。しかも、彼女は会議テーブルの上に菓子箱を置きながらこう言った。
「うちの家族、アタシ以外はこのお菓子を好きじゃなかったんですけど」
ネガティブな売り文句とともに登場した「ゆずの山里」。正直、何の期待もせずに封を開けてみた。
半分に切った柚子をイメージしたと思われる、最中の皮で作った器に、きなこをまぶした柚子風味の求肥餅が入っている。まず、茶系にまとまった色みの地味さはあるものの、器ごといただける発想の気前よさに惹かれた。そして、サックリした最中の皮と餅の食感の対比が楽しい。さらに、柚子を練り込んだ餅に焦がしきなこをまぶした、香りVS香りの妙。凝るべきところにしっかり凝り、練るべき部分をきっちり練った、高知銘菓と呼ばれるにふさわしいお菓子だった。
浜幸は、フツーにおいしい「かんざし」を看板にするより、この「ゆずの山里」をもっと推すべきである。少なくとも、ホームページでのあの扱いはいかがなものか。万が一、関係者の方がこのコラムを読まれることがあれば、ぜひご一考いただきたい。
2009年5月21日 |